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小泉訓×玉乃淳 ”サッカー選手は消防士に向いている”

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Jリーガーから消防士に。

多くの人の想像を超える転身ぶりを元チームメイトの小泉訓氏にうかがいました。「公務員=安定」という俗に言われる方程式が成り立たない公務員である消防士。その命を懸け続ける日常の一部を知ることができた今回の対談。「サッカー選手は消防士に向いている!」と小泉氏が公言するのはどうしてか。完全プロ集団である消防士の実態に迫りました。


小泉訓(こいずみ・さとし)
名門前橋育英高校を経て、2004年鹿屋体育大学へ入学。中盤の底で献身的な運動量を武器に活躍し、2007年全日本大学選抜に選出。2008年徳島ヴォルティスに入団したが、出場機会に恵まれず、わずか2シーズンをJリーガーとして過ごし現役引退。引退後は1年間の充電期間を経て、2011年東京消防庁へ入庁。現在は、消防士として現役時代さながらの献身的な活躍で、東京で生きる人の力となっている。

「1日12時間は勉強していました。無職でしたから。」

玉乃 7年ぶりぐらいですよね。徳島時代以来!

小泉 24歳で引退しました。現役は2年間だけですね。そのあとは1年間ニート…。というか、職を持たず、1年間勉強して、公務員試験を受けて、東京消防庁に入りました。

玉乃 どこで1年間勉強していたのですか?

小泉 東京の実家です。

玉乃 パッとやめたのですね。徳島のマスチェラーノって呼ばれていたじゃないですか。

小泉 あんまり結果残せなかったですからね。なんか稼げないじゃないですか。Jリーガーは、やればやるほど、年を重ねるほど、次の選択肢が少なくなるっていう思いがあり、「自分の中でやることはやってこの結果なら」…っていう踏ん切りがついたので、思い切ってやめました。

玉乃 次のプランは何も考えずに、とりあえずやめると…?

小泉 この先やっても稼げないなっていうのが見えたので…。

玉乃 稼ぎたいっていう思いでサッカーをやっていたんだ?

小泉 もちろんサッカーを続けたいですけれど、現実を考えたときに、30歳過ぎてJ2とかその下とかのカテゴリーでサッカーやっていて、その後あらためて人生設計するとなると、あまり先が見えないなっていう思いで、思い切ってやめました。セカンドキャリアのスタートは早い方が良いなという思いです。

玉乃 「稼ぐ」って、どれぐらいの数値が納得いく数字だったのですか?

小泉 300万、400万円はもらいたいなって思っていました。それくらいあれば生活はできるじゃないですか。JFLだとそこまではいかない。徳島でも当時J2で月20万円でしたから…だから早く見切りをつけて人生のトータル収入を上げてやろうと思いました。

小泉 ノープランでプロサッカー選手をやめて、企業のWEBサイトなどを色々見て、次の仕事をどうしようかと考えました。引退後、いろいろなキャリアを歩んでいる友人に相談もしましたが、今までサッカーしかしてこなかったので、特段知恵もなく意欲もわかず頭の中も真っ白になりました。そんなとき、知り合いの消防士が声をかけてくれました。「消防士結構面白いよ」って。調べていくうちに、やりがい持って今後ずっとやり続けられる仕事だと思ったわけです。

玉乃 そのとき思い描いていた消防士像と、実際に仕事をしてからのそれと、なにかギャップはありますか?

小泉 災害活動などは思った通り厳しい感じですけど、予想以上に色々な仕事があるんだなと感じています。逆に、消防士にどんなイメージを持っていますか?

玉乃 全くわからないですね。実は、すごく興味があったんですよ。まず消防士になるためにはどうすればいいのか、どれくらいの年月の下積み期間があるのか、どのタイミングで現場に出られるのか等々、全くわからないので。多分サッカー界ではコイちゃん(小泉氏)しかわからないでしょう。

小泉 まず公務員試験を受けて合格しなければいけないですね。ちなみに私は半年の勉強で受かりました。

でも、1日あたり平均12時間は勉強していました。無職だから何もすることがない…というか12時間ひたすら、それが仕事かのように机に向かいました。政治、経済、数学、物理、生物、文章理解、英語、数的処理とか。

玉乃 すみません、鹿屋体育大学のスポーツ推薦出身の方ですよね?(笑)

小泉 がむしゃらにやりました。寝て食べているとき以外は勉強していましたね。座りすぎて足が細くなりました。「資格の大原」(大原簿記学校)の社会人コースに行って、教材をいただいて、ひたすら勉強しました。「本気になったら大原」でした。

玉乃 なぜ、「本気になったら大原」に行ったのですか?

小泉 本気になったからです。

玉乃・小泉 笑 

玉乃 いいですねピンときて、「消防士になる!」簡単な決断ではないですよね?公務員試験に受かれば全員、消防士になれるのですか?