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西川圭史×たまじゅん部 “金沢を導く人を育てたい”

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「人」が財産

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土屋 強いチームということですが、ユースチーム出身選手中心のチームづくりを行く末はお考えですか? 

西川 そうですね。必ずしもユースチーム出身の選手でなくても50パーセントくらいは地元出身の選手で構成するチームにしたいなという夢は持っています。これはどこのチームもそう考えていると思うのですけれどね、地域の子どもたちの憧れがより身近な存在であれば、「夢」への距離がぐっと縮まるはずですから。もちろん地元の応援熱を高めるにも最高の素材ですよね。ウチの作田選手は白山市出身で地元は最高に盛り上がっていますから。 若年層をチーム内でしっかり育てて、コストセンターになりがちなアカデミー(育成部門)の投資効果が出てくれば、どんどん好循環が生まれてくるとおもいます。その日を心待ちにしていますよ。 

土屋 育成ですか…前職は教育関係のお仕事をされていたと伺っています。金融機関をやめられたあと、中高生を対象としたキャリア教育についてのビジネスで起業されたと…。 

西川 仕事をしっかり理解してから就職してもらおうと、仕事について理解を深めてもらうような事業を起業しました。実際は対象が中高生でなく、ほとんど大学生だったのですが。私は最初の就職先って、とても大切だと思うのですよね。今でこそ人材の流動性は高くなりましたし終身雇用でもなくなってきていますが、それでも最初に勤めるところは社会への入り口でもあって学ぶことも多いのでとても大切です。ですから若い世代に企業や事業をしっかり理解してから就職してもらおうと…企業の良い側面だけでなく、悪い側面も知ってもらえるような活動をしました。特に、企業風土の理解には力を入れました。その後、人生の多くの時間をその会社で過ごし、その会社の人々と共にするわけですから。企業と若い世代をつなげて、学校での説明会や座談会開催はもちろんのこと、企業訪問や年代の近い会社の人と酒を酌み交わしながら率直に意見交換できる場をセットしたりもしましたよ。 リアルなビジネス雰囲気の体験を一番に考えました。

土屋 教育というジャンルを事業としてされていたときは難しいところもあったのではないでしょうか? つまり、さきほど、育成部門がコストセンターというお話をされていましたが、育成や教育という分野はやはり利益とは相いれないのかと思いまして・・・。 

西川 人間教育という観点では、純粋に稼ぐっていうのは難しいと思います、目先の利益という意味ではね。世の中の議論として、教育はどこが担うのかというのがあって、国などの公の機関か民間かというね。最近は公で負担するべきという風潮はありますよね。海外に目を向けても高等教育は国が負担しているところが多いですよ。このことは稼ぐことが難しいことの裏返しですよね。事業としてやっていた当時は、文科省の補助金など利用してうまく資金調達できたので経営が成り立っていましたが、受益者負担だけではやはり収益という面では厳しいですよ。 いまは、ツエーゲンで人材育成したいですね。例えば将来トッププロとしてサッカー選手になれなくても地域のために貢献でいるような有能な人材を輩出していきたいです。 

土屋 ツエーゲン金沢のGMという立場で教育的なことも始めていくということですか?  

西川 やっていきたいと、ずっと思っています。クラブの理念のひとつに青少年の健全育成というのがありますしね。サッカーという世界に通じるコンテンツを使って、少し先にいった教育で、それこそ国際感覚豊かな世界で戦える人材を育てていきたいです。どういう形がいいのか…熟慮しながらですが。大学の大教室で教授1対学生200というようなスタイルの教育ではなくてね。せめて1対10や1対20くらいでないと、本当の人間教育なんてできないと思っていますよ。また利益からはなれた話になってしまいますけれどね(笑)。 それでも、いまも昔もかわらず、「人」が財産ですから、目先の利益にこだわらず人は育てていきたい。石川を引っ張っていってくれる人を育てたい…これが私の想いです。