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夏野剛×玉乃淳 “腐らない人にはいくらでも光が当たる”

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サッカーのライブ感を突き詰めたい

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玉乃 夏野さんが実際に試合観戦をしてどうですか?面白いと感じますか?

夏野 うーん、どうでしょう。「観る」という意味で1993年の開幕当初と大きく変わったのはワールドクラスの選手がすごく少なくなったこと。ジーニョ、サンパイオ、ジョルジーニョ、レオナルド、ドゥンガなど世界レベルの選手がかつてはいました。そして日本人の良い選手もヨーロッパに移籍しちゃいましたよね。本田圭佑、香川真司、長友佑都、岡崎慎司。日本人選手の海外移籍は日本にとって良いことでもあるけれど、Jリーグのことを考えると難しい側面もある。スター選手がいない場合、お金が回るビジネスモデルがないと、チーム経営はなかなかうまくいかない。さきほどのチームのスポンサーの話と同様にお金が回りやすい仕組みが重要だと考えています。
でも実際、ライブのコンテンツというのは、行ってみると面白い。Jリーグも国内組といわれる日本代表選手が出場していたりすると、コアなサッカーファンじゃなくても結構面白いと感じられるわけです。観ていて自然と盛り上がりますよ。行けば、ね。ただ、みんな「行かない」。

玉乃 行くまでが、かなり高いハードルになっているわけですよね。

img_2243-%e3%81%ae%e3%82%b3%e3%83%94%e3%83%bc夏野 そう、だから行く前の「関心」というレベルでもっと盛り上がる仕掛けをしなきゃいけない。当然メディアの露出も増やさなきゃいけないだろうし。でもまず思うのは、チームが多すぎますね。一般の人たちは覚えられないですよ、選手や監督の目まぐるしい移籍も含めたら。今はチームが多くて力が分散している気がするし、そうなると各チームへの関心も薄まる。力が分散していなければJ2から昇格したチームがいきなりJ1で優勝することもなくなるでしょう。野球の話になってしまうけど、巨人がV9達成してそれを倒すために他のチームがチャレンジして盛り上がったりするわけです。サッカーにもそんな「常連感」みたいのが欲しいかな。ACLでJリーグのチームが勝てないのもJリーグのチームが多すぎて、力が分散されていることが大きな要因だと思います。レベルはアジアナンバーワンなのに勝てないのだから。

玉乃 実際そういう声はチェアマンの耳に届いているものなのですか?

夏野 思いっきり届いていますよ(笑)。目の前で言っていますからね(笑)。

玉乃 具体的にどういった仕掛けが今後なされていくのでしょうか?

img_2308夏野 まあ、いろいろやりますから(笑)。
具体的な話はできないけど、見ようと思えば必ず見られるという仕組みを作りたいですよね。とにかく、BSとかCSとか契約しなくても見られるというのが大前提。だってもうそういう時代ですから。で、なおかつお金も回るようにしなければならない。サッカーを取り巻く環境はいいですよ。やっぱりライブコンテンツっていうものは、もう世界中で価値がどんどん上がっていますから。だってバスケットボールにあの値段がつきますからね。Jリーグはもっと思いっきりいけますよ。ライブコンテンツ、スポーツコンテンツの価値は成熟社会になると上がっていく。ネット配信も民放ぐらいの威力を持てるようにしたい。 あとは、スタジアムの問題も結構大きいですよね。市が運営しているような競技場なんて行かないでしょ。でもガンバの新しいスタジアム一度行くと、また行こうってなるじゃないですか。ピッチのまわりに陸上トラックがあるようなところじゃ見たくない、選手は米粒サイズですし、迫力にも欠けます。アーティストのコンサートじゃないのだから、レディガガかよって(笑)。もうちょっと間近で見たいでしょ。あれでは本人かどうかわからない。

玉乃 レディガガはスタジアム問題を語る際の持ちネタですか?(笑)

夏野 埼玉のスーパーアリーナって席が意外と遠いんですよ。これじゃあ豆粒じゃん、レディガガ?みたいな(笑)。飛び跳ねているのは果たして本物かなって(笑)。陸上トラック付きのスタジアムもまさにそんな感じですよ。

玉乃 内部にいると意外としがらみがあって、そういうことを思ったとしても言えない環境なんです。

夏野 それはそうかもしれませんね、だからこそ我々が代弁しているんですよ。やれば、ガンバみたいなスタジアムをちゃんと作れるわけだから。あれは民間のお金を使って、上手いこと枠組みを作って、できたスタジアム。一つ吹田みたいなスタジアムができたということは、光明がさしていると思いますよ。ただ欲を言えば、吹田は交通の便が悪すぎます、遠すぎる。まあ隣が三井のショッピングモールですから、まだいいけれど。