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河野淳吾×玉乃淳 ”競輪の世界は、生きるか死ぬか”

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河野今度こそ

不慮の事故で突如訪れた引退。

 

人と人とのつながりを

大切にしてきたから、

引退後の選択肢が

たくさんあった。

 

玉乃 ところで、あのサッカー選手生命を絶った大怪我(編集部注:徳島時代の2006年6月、札幌戦でダヴィに足を踏まれ、右足下腿骨を骨折)の前に、引退後について考えたことなんてあった?

河野 一度もないね。だって、自分は生涯現役だと思っていたし、長くやっていく自信もあったからね。リハビリをしていても、まるで引退なんて考えなかった。でも、実際に復帰して、動いてみたときに分かったんだ。「もう、以前のようなプレーはできないな」って。で、ちょうどその頃、仲の良かった競艇の選手が、「競輪をやってみたらどうだ?」って、勧めてくれたんだ。

玉乃 予期せぬ交通事故のようなアクシデントで、一瞬にして選手生命を奪われる世界だもんね、サッカー界も。

河野 ホントだよ。まさかあんな形で引退するなんて、夢にも思ってなかった。

玉乃 でもジュンゴは明るくて、社交的な性格だから、いろいろなジャンルの友達がいるよね。そうした人と人のつながりが、普通の人では想像もつかない競輪という世界へジュンゴを導いたんじゃない?

河野 確かにそう思う。生きているって、結局は人と人のつながりだからね。多くのジャンルの友人がいたから、選択肢がたくさんあった。それで自分は競輪を選んだ。選んだあとは気持ちひとつ!やる気があるかないかだよね。

玉乃 でも、ジュンゴみたいに気持ちが強い人はそう言えるけれど、現役引退後に自分のやりたいことを優先順位の一番上になかなか持ってこられないのが一般的な現実だよ。お金の問題や家族の問題…いろいろと障壁があるもんでしょ?

河野 うーん。「損して得をとる」とでも言うのかな、サッカー選手やめたあとに、自分に先行投資するというか、種を蒔くみたいなことしないといけないよね、きっと。引退した選手たちを見ていると、そういう考えができない方が多いなって思う。たとえ無給でも1年や2年、自分の将来のための準備をするべきだと思うよ。多分ほとんどの人がしないよね…今月の給料が欲しいから。でもさ、引退してようやく雇われの身から解放されたんだよ。プロサッカー選手だって、雇われているという意味では実態はサラリーマンだからね。やめたら、やりたいことをやらなきゃ、って思ったんだ。

玉乃 ジュンゴ、初めていいこと言ったんじゃない!?(笑) そんな起業家精神を持っているとは知らなかったよ。ごめん、これまで年下なのにずっとタメ口だったけれど、今後はちゃんと尊敬するようにするわ(笑)。

河野 もっと年長者を敬え(笑)。

玉乃 でもさ、ジュンゴみたいに社交的で、現役時代からいろんな人と交流してきたタイプのほうが、セカンドキャリアで成功している印象があるよ。サッカー一筋でやってきた人が、一番困っているというか…見ている世界が狭くて引退後の選択肢が限られるよね。

河野 ジュンもそうだけど、俺も異業種の人と飲みに行ったり、話をしたりすることが、自分の財産になると思っていたからね。いまだってそうだよ。もちろん練習はきっちりやるけれど、師匠にも自己管理ができるなら遊ぶときは遊べと言われているし、オンとオフはしっかり切り替えている。どんなに遊んでも、翌朝の練習は絶対にサボらないしね。

玉乃 遊び?どんな?

河野 飲みに行くぐらいだけれど、それはいろんな人に出会うためなんだ。やっぱり、人と人とのつながりを一番大切にしているよ。