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是永大輔×玉乃淳 “好きなことしかやらないことにした”

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是永中央写真

楽しいことで自分の時間を埋めないと、つまらないことが入ってきちゃう。

玉乃 卒業されて、先ほど伺った携帯サイトの会社で5年間働いたのち、なぜアルビレックス新潟シンガポールの社長に就任されたのですか?キッカケはあるのですか?

是永 もともと社長に就任する5年前からクラブは存在していたわけだけれど、一応サッカー業界にいたことでつながりがあって、「新社長、探してるんですけど誰かいますか?」って聞かれて、2秒で即答した。「やるやる!」って。引き受ける前は知らなかったけど、そのときは毎年数千万円の赤字を計上していたチームだった。このとき29歳。

実は、20歳のときに「10年後の自分」を100個くらい箇条書きにして紙に書いた。「海外に住んでいる」、「日本と海外を往復している仕事をする。」、「FCバルセロナと仕事をしている」、「サッカークラブの社長をしている。」みたいな、当時海外旅行もしたことなかった落ちこぼれ大学生が書いた、荒唐無稽なこと。けれども、仕事のことはほとんど叶った。叶っていないのは「20億円持っている。」、「フェラーリに乗っている。」、「広末涼子と結婚している。」…(笑)。他人とお金はコントロールできないことが分かった(笑)。

玉乃 それにしてもスゴイですね。20歳の当時、えがいた夢に多く登場する「海外」というキーワード。存分に夢が叶っていると言えますよね。常に世界中を飛び回っていますもんね。

是永 それもこれも「サッカー」だよね。 サッカーというスポーツは、世界中の人たちと簡単に結びつくことができるコミュニケーションツールだし、言語だと思う。サッカー関連の仕事で世界中を旅させてもらって幸せ。バルセロナだけでもこれまで80回は行っているからね。

玉乃 コレさん、日本では数少ないカジノオーナーでもありましたね。あのカジノ、その後どうですか?

是永 おかげさまで拡大しました。街の中心に移転してショッピングセンターの1フロアをぶち抜いて…。そんなに大儲けってわけではないんだけど(笑)。

玉乃 コレさんのことをよく知らないと、「無謀にいろいろなことにチャレンジしまくっているな。」なんて見られてもおかしくないですけれど、実際とても堅実な経営者ですもんね。クラブの収支も黒字化させて、健全な財務体質を維持させている。カワイイお嬢さまもいらっしゃる(笑)。無茶苦茶なキャラクターから想像つかない有能な青年実業家ですからね。

是永 好きなことしかやらないことにしたんだよね。嫌いなことやっても効率が悪い。本当に好きなことだけに限りある時間を使うのが一番効率的だし、いくらやっても疲れない。たとえそれが何であったって、好きなことに取り組む方が成功の確率高いじゃない。ドラクエだったら24時間できたもんね。朝までやっても全然苦じゃなかった。そういうことを仕事にしなきゃとは常に思っている。仕事の成果って「情熱×時間」だからさ。

玉乃 あれ?これ、カメラ回っています?「情熱大陸」じゃないですよね? 

是玉 はははははは。

玉乃 確かにサッカーはグローバルなコミュニケーションツールですね。

常々、海外へ出ることを推奨されているコレさんですが、「サッカー」というツールを持っていない人たちも海外へどんどん出るべきでしょうか? 

是永 もちろん、答えは”YES”だよ。今後の日本は、若い世代が世界を巻き込むようなエネルギーを発していかないと。これだけ人口が減っていって内需に限界がくると、どう考えても日本の経済は落ちていくわけだよね。だから外に活躍の場を求めなければならないし、そして、外を巻き込んで日本に呼び込んでくるくらいの意気込みが本当に必要だ、って思うよ。

それとね、サバイブするには、自分だけのカタチを持たなければならないと思うんだよね。オリジナリティね。つまり、自分たちのアイデンティティを認識することから始まる。そして、明確に異質な比較対象がなければオリジナリティは見つけられない。当然、その比較対象は多ければ多いほど好ましくて、いろんな世界を見ることが絶対に大切なことだと思う。だから明確に異質を肌で感じられる海外を推奨するんだよ。で、それが若いときであればあるほどよい、絶対に。歳をとると常識と日常で目が曇って、発見の数が減るからさ。

是永

アルビレックス新潟シンガポールに来る日本人の選手達には 「ここがゴールじゃない!」と伝えている。サッカーは、日本の中が全てじゃないし、もちろんシンガポールだけでもなくて、全世界がフィールドだよね。彼らが例えばシンガポール経由でヨーロッパや他のアジアの国でプレーしたり、アフリカに行ってプレーしたりということがあるわけで、それは間違いなく今後の人生においてプラスになると思う。どんどん海外でチャレンジする日本人が増えて欲しいよね。バルセロナにウチが立ち上げたアルビレックス新潟バルセロナというアマチュアチームを卒業した日本人で、自分で会社を設立しちゃった人間もいるからね。その根底には、他のすべてを差し置いて「好き」、「楽しい」という気持ちや感覚があるんだと思うよ。

玉乃 バルセロナですか、いいですね。スペインのハチャメチャな文化に触れることもできますしね。まったく働かない文化。「人生はサッカーのみ」みたいな異様な文化(笑)。

是永 平日は実家で脛をかじっているだけでまったく働かない彼らが、週末必死の形相でイエローカードをもらいながらサッカーを一所懸命やっている世界。で、週末の試合が終わればまた実家に引きこもって、ひたすらニート生活を送るという…「なんだこれは!?」(笑)。

玉乃 ははははは。なかなか日本では考えられない光景ですもんね。

是永 なんというのかな?スペイン語でいうと「corazón(コラソン)」?

この心や情熱はどこから来るの…?これほどまでに人を熱狂させるスポーツって…?そういうのは、一緒にやってみないとわからないよね。スペイン人に学ぶとすれば、楽しいことで自分の時間を埋めないとダメだよ、ってことかな。そうじゃないと、つまらないことが入ってきちゃう。

あぁ、凄く、いいこと言っちゃったな、いま。