TAMAJUN Journal

波戸康広×玉乃淳 “今の時代、二足のわらじは当たり前”

扉㈫
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TAMAJUN Journal 「セカンドキャリアに幸あれ!」も今回で6回目。

「継続は力なり」と諸先輩方にはよく言われてきましたが、先日32歳の誕生日をむかえた僕も、重ねることは大切なことなのだと、思うようになってきました。まだ6回目ですが、一歩一歩大切に歩めればと思っています。

 さて今回は、Jリーグで350試合以上に出場し、2014年のJリーグアウォーズで功労選手賞を受賞された波戸康広さんです。現在は横浜F・マリノスのアンバサダーとして国内外を飛び回り活躍されておりますが、その一方で趣味の域を超えプロ級な腕前の特技も‼

一歩引いた立場だから、選手たちも今までどおり気軽に相談してくれる。

玉乃 波戸さんは、横浜のアンバサダーをされていますが…。アンバサダーってどういう仕事ですか?

波戸 それ、よく聞かれます(笑)。

玉乃 やっぱりそうですよね! すごく気になっていました。

波戸 一番は広報活動ですが、本当に様々な活動をしています。

先日は〝ふれあい隊〞(=横浜のスクールコーチ)と一緒にサッカー教室をお手伝いしましたし、ホームタウン事業の一環としていろんな学校を回ったり、周辺の清掃活動といった地域貢献活動をおこなったり…。つまり、あらゆるタッチポイント(=クラブと顧客との接点)での活動全般がアンバサダーの職域ですね。

今でこそ、Jリーグでもアンバサダーという役職が浸透しつつあると思いますが、僕自身、F・マリノスの初めてのアンバサダーでした。活動の幅はとにかく広いですね。

玉乃 へぇ。確かに幅広い。

波戸 F・マリノスと業務提携しているタイのスパンブリーとの協力の下、サッカー教室などを通じて、海外における『横浜F・マリノス』の屋号の認知度向上にも力を入れています。

玉乃 2011年に引退されて、即アンバサダーですよね? そういったポジションの必要性を感じていたのでしょうか?

波戸 そこはクラブ側とも話をさせていただきましたし、もちろん指導者という選択肢があってもおかしくありませんが、僕としては、もっと広い視点でサッカーを勉強してみたかったのです。選手時代を振り返れば、例えば試合の時、キックオフの1時間半前にスタジアムに入って、チームの勝利のためにピッチで最高のパフォーマンスを出すことだけを考えていました。でも、今こうしてアンバサダーになってみて改めて感じるのは、ひとつの試合が行なわれるまでに、本当に色々なことが関わっているということです。そういった面で、自分のこれまでの経験も活かしながら、クラブをより良くするための仕事に従事できればな、と。すごくやりがいがありますし、毎日が充実しています。

玉乃 形態としては、F・マリノスの正社員なのですか?

波戸 いえ、違います。業務委託という形で、僕とクラブとで契約させてもらっています。ですから、F・マリノスの仕事以外で空いている時間があれば他の仕事もやっていますが、何をするにしても「横浜F・マリノスアンバサダー」という肩書きが常にありますので、そういう意味では、クラブのイメージを背負っているわけで、現役時代よりも責任感はより強くなっているかもしれません。

玉乃 選手との関わりは?

波戸 ありますよ。ここが、業務委託という形態の一番大きいところでもあると感じているのですが、もし僕がクラブの人間だったら、僕との会話でも選手たちは多少なりとも身構えてしまうと思います。でも、アンバサダーとはいえ、一歩引いた立場でもあるから、選手たちも今までどおり気軽に相談してくれます。それはメリットとして捉えています。

玉乃 なるほど、これがアンバサダーの実態だったわけですね。結構みんな、不思議がっていると思うんですよ。

波戸 クラブによって仕事内容や立ち位置は違ってくるのではないでしょうか。神戸の吉田孝行くんは強化部に属しているからスカウトもするだろうし、仙台の平瀬智行くんだったら、たしか営業などをメインにやっているはずです。僕の場合は、各セクションと万遍なく一緒に仕事をさせていただいていますね。

玉乃 良い意味で、実態があるようでない、でもクラブにとっては重要なアンバサダーという仕事をセカンドキャリアに選んで、不安はありませんでしたか?

波戸 ありましたよ。不安というか、イメージは持っていても上手くいかないこともありましたし、今でこそ各セクションの方たちと話をして仕事を進めていますが、選手時代には強化部か広報の人とのコミュニケーションがほとんど。だから、引退直後はまず、いろんな部署のクラブスタッフとの関係性を深めるところから始めていった感じですね。

玉乃 今年、アンバサダー3年目ですが、1年目を振り返るといかがでしたか?

波戸 クラブ側も僕をどう扱ったらいいか、僕自身もどうやってみなさんと仕事を進めていけばいいか、手探り状態でしたけれど、一緒にやっていくことで、徐々に前を向いてできるようになりました。