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西塚定人×玉乃淳 “日本サッカーの現在地を知りたい”

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立ち のコピー

もっともっと日本サッカーを強くしたい

最悪、上手くいかなくても、

仕事を掛け持ちすれば

借金は返せるだろう、と。

 

玉乃 かなりシンドイ毎日だったと推察しますが、当時の西塚さんの原動力ってなんだったのですか?

西塚 さっきも触れたけど、日本一上手い選手が世界でどこまで行けるか。それを見たかったし、根底には日本サッカーを強くしたいという想いもあった。最悪、上手くいかなくても、肉体労働でもなんでもやって、仕事を3つぐらい掛け持ちすれば、2年ぐらいで借金を返せるだろうとはロベルトと話していた。

玉乃 西塚さん、なんですか、そのバイタリティは。

西塚 まだ20代だったから。今だったら絶対無理。すぐ筋肉痛になるから(笑)。まあ、僕もロベルトも、組織に属して指示に従うのは苦手なタイプだったから。要望を出しても物事が変わらないなら、自分たちで独立して変えるしかない、と。一転、経営者側になると、今度は文句を言われる立場になる。でも自分たちのやりたいことをやれるから、そっちのほうが断然良い。毎日ヒヤヒヤもんだったけどね(笑)。

玉乃 そんな西塚さんの行動すべてを根底から支えているのが、もっともっと日本サッカーを強くしたいという信念なのでしょうか?

西塚 それしかない。ずっとサッカーをやってきて、当たり前だけど、サッカーが大好き。自分は代表選手になれなかったから、代表になれる選手を近くでサポートして、日本サッカーを少しでも良い方向に持っていける助けになれば、これ以上幸せなことはないよね。そのためにも、これはうちの事務所がずっと重要視していることだけど、俊輔みたいに日本を飛び出た後、できれば古巣に戻ってきて、海外で得た経験を日本サッカーにフィードバックすれば、それは最高の財産になるし、これを繰り返していけば、日本サッカーはさらに強化されると思う。時間がかかる作業ではあるけれどね。

玉乃 西塚さんの見た目とは裏腹に、すごくクリーンな信念です(笑)。

西塚 それ、よく言われる(笑)。

玉乃 揺るぎない〝強い信念〞さえあれば、厳しい環境でも、働くことや起業する大変さを乗り越えられる。「確固たる信念を持つこと」。西塚さんの話を聞いて再確認できました。

西塚 そのあたりの細かいことは、今度またどこかで話すよ。まだ話し足りないし、伝えたいことはたくさんあるからね。

玉乃 今後是非、トークイベントなどでご一緒させて下さい。俊輔さんや長友くん、岡崎くんなどの移籍の舞台裏や、知られざる素顔等も教えてほしいです。

西塚 「話せる範囲で」。ならいいよ(笑)。


短い時間でしたが、実に刺激的な対談となりました。創業時のことなど、いとも簡単に語られていましたが、実際そのご苦労はまさに筆舌につくしがたいと思われます。ただそこにあった強い信念、日本サッカーへの熱い想いが大きな原動力になったことが、そのときを語る彼の目や口調からひしひしと伝わってくるのでした。

とにかくアクションをおこすというご自身の姿勢、歩んできた道のりが、「選手の心身のケアを最も大事にする」という経営理念に昇華し、多くの選手の信頼を勝ち得ているのでしょう。長友佑都選手、岡崎慎司選手など、海外トップリーグで活躍する選手たちの〝育ての親〞といわれる所以がわかったような気がしました。

西塚定人(にしづか・さだと)プロフィール

1972年7月13日生まれ。東京・暁星高校出身。
現役時代は浦和レッズに在籍したGK。その後引退し、青山学院大学で学生コーチを経て横浜マリノスの主務に。01年に「スポーツコンサルティングジャパン」を設立。現在はエージェント・マネージメント業務に多忙を極める

サッカーダイジェスト 2014年6月9日掲載