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野々村芳和×玉乃淳 “世の中を知る大切さ”

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すぐに結果が見えない怖さ

石水会長に呼ばれて行くと

「社長はお前がやれ」と。

さすがに驚いたよ。

 

玉乃 社長就任のキッカケを、改めて教えてください。全国のサッカーファンは驚かれたはずです。まあ、昔からノノさんとは親しくさせてもらっている僕からすれば、「ほら、やっぱりね」という感じではありましたけど(笑)。

野々村 嘘つけ!(笑)。コンサドーレのスポンサーであり、『白い恋人』で有名な石屋製菓の石水(勲)会長に、以前「コンサドーレの社長、もう一度、やってくださいよ」って話をしたことがあるんだ。そうしたら、「分かった。考えておく」という感じだったから、俺もそのつもりでいたんだよ。だけど、しばらくしてから石水会長に呼ばれて、行ってみると、「社長はお前がやれ」と。それだけ。さすがに驚いたよ。

玉乃 で、即決ですか?

野々村 いや、最初はまったくピンとこなかった。「少し考えさせてください」とその場は辞退したんだけど、その後すぐにコンサドーレの関係者に会って、石水会長から社長就任の打診を受けた話をしたら、その人たちも応援してくれて、それで俺もその気になっちゃってさ(笑)。だから、3〜4時間ぐらいでもう「やろう」と決めていたよ。

玉乃 凄い展開……。ノノさんはメディアでもバリバリやっていたじゃないですか?

野々村 そう。メディアの世界でずっと生きていこうという考えは確かにあった。自分に向いていると思ったし、日本サッカーの発展につながる番組作りに自信があったからね。

玉乃 でも、Jクラブの社長という新たなチャレンジを選んだ。で、実際どんな感じなんですか? 社長ってやっぱり分刻みのスケジュールで忙しそうですけど。

野々村 忙しいのかもしれないけど、これも正直、よく分からない(笑)。例えばサッカーで言うと、1週間に1回ないし2回、試合があって、勝ったり負けたりして、すぐに充実感を得られるわけだよね。解説業も似たような感じで、今日の番組は良かったとか、次の1週間はどうしようか、という話になる。でも今の仕事にはそれがないんだよ。すぐに結果が見えてこない。早くても1年というスパンが必要。そこがちょっと慣れていないかな。だから、なにが大変なのかも、まだ本当の意味では分かってないのかもしれない。

玉乃 これまでとはまったく違う世界の人たちとの付き合いも当然、あるわけですよね?

野々村 さっきもちょっと触れたけど、顔を出す場所も、仕事で会う人も、以前とはだいぶ違うよね。政治家や知事、市長と会っていろんな話もする。それは大変だけどすごく刺激的だし、世の中の見え方、ものの考え方は変わってきていると思う。

玉乃 社長という立場は、ある意味、クラブの顔であり、広告塔としての役割もあるのでは?

野々村 それは意識している。現実は、サッカーに興味がある人より、ない人のほうが多いわけじゃない? コンサドーレは宣伝に使える資金に限りがあるから、いかにメディアに取り上げてもらうかは最重要課題のひとつだと認識している。

玉乃 数千万をポンと広告費に使える野球界とは事情が違いますね。

野々村 だから、地上波のメディアにどうやって露出して、一般の人たちに興味を持ってもらうかをすごく考えている。北海道にはローカル放送もあるから、そこでどれだけコンサドーレを知ってもらえるか。もし俺を出してくれるなら、朝5時からでもまったく問題ない。どこへでも駆けつけるつもりでいるし、常にそういうスタンスでいるよ。

玉乃 まずはファン層の拡充、というところですね?

野々村 サッカーをこよなく愛して、コンサドーレを応援してくれているたくさんのサポーターがいる。そういう人たちを大事にするのは当たり前として、1万人を2万、3万、4万と増やしていくにはどうすればいいかを考えるのも、同じくらい重要なことだからね。