TAMAJUN Journal

戸田和幸×玉乃淳

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人と向き合う時、どこまで踏み込めばいいか距離感は分かっている。

玉乃 でも、あの〝赤モヒカン〞で一世を風靡した日韓ワールドカップの後にトッテナム移籍って、やっぱり戸田くんはただ者じゃない(笑)。そういう男だから、引退後も引っ張りだこなんじゃないですか?

戸田 いやいや。引退する時には、2~3年は食いっぱぐれるぞと覚悟はしていた。オファーなんてないだろうし、それぐらい、俺はたぶん、イメージがあまり良くないんじゃないかって。だから、各所に挨拶に行ったりもしたよ。自分から行動を起こさないと絶対、仕事の話なんて来ないと思っていた。風評を覆すには、自分から動くべきだと考えていた。

玉乃 人間同士なんて、実際に会えば誤解が解けて、分かり合えたりもしますからね。逆に、僕からすれば噂だけに惑わされている人は、こちらからノーサンキューですけど。

戸田 あれ? 急に威勢が良くなってきたね(笑)。それでもいろんな失敗をしてきたなかで、本当に多くのことを学ばせてもらったし、今は会って頂けるだけで感謝だよ。あとは自分次第。解説の仕事もそうで、チャンスが来たら自分のすべてを出せるように最高の準備をして丁寧にひとつずつやらせてもらっている。あとは、福岡で小学生を教えることになったんだ。今、小学5年生の息子がサッカーをやってるので、引退してからは練習や試合を見に行ったりする機会は増えてるんだけど、指導者の在り方というか、俺なりに思うところがあってね。それで町クラブを周ってみたりもしてるんだ。

玉乃 戸田くんが小学生の指導ですか? 意外というか、イメージ的には、Jのトップチームで勝った負けたの世界のほうが似合っているような気がします。なんかシメオネっぽいですし。

戸田 オールバックだから?(笑)。いやでも、選手っていろんなキャラクターがあるけど、見なければいけない部分は、表面的なところではなく、やっぱりその奥側にある底の部分なんだと思っている。みんなそれぞれ一生懸命に取り組んでいるのであれば、それは一回全部受け止めてあげたい。指導していくうえで選手を納得させられるだけの知識も必要だし、どう伝えるかも大事になる。そういう意味では、現役の時から、人と向き合う時もけっこう踏み込んできたし、どこまで踏み込めばいいか、その距離感は分かっているつもり。言葉の使い方だって、本当にそれを言う必要があるのか、適切なタイミングはいつなのか、ここは一旦我慢したほうがいいのか、とか。今はどのカテゴリーが自分に合っているのかまだ分からないから、目の前にあることから少しずつやっていけばいいのかなと思ってる。たまに小学生に交ざっても、誰よりもはしゃいで練習していたりするからね(笑)。それぐらい、正面からサッカーを学びたいんだ。