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青木理恵×たまじゅん部 “観るだけじゃないサッカーを”

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こんにちは。たまじゅん部の京極です。

我々たまじゅん部は、日本サッカーを応援するべく、サッカー界に関わる様々な人々に取材を行っています。2016年のオフではJリーグでも近年稀に見る活発な移籍市場で、各クラブの積極的な補強で話題が絶えませんでした。2017年もJリーグからますます目が離せません。

ところでみなさん、リクルートの「Jマジ!」というサービスをご存知でしょうか? 19歳20歳の若者を対象に、先着もしくは抽選でJリーグの試合のチケットを無料で提供するというサービスです。要するに「タダ!」でJリーグの試合観戦ができるというサービス、しかも対象年齢であれば何度でも予約ができるので、1シーズンに何度も無料でスタジアム観戦することができるのです。このようなJリーグファンの若者にとっては夢のようなサービス、どのような思いから始まったのでしょうか?そしてどのようにして実現できるようになったのでしょうか?

「Jマジ!」責任者の青木理恵さんに、たまじゅん部が取材をしてまいりました。青木さんの「Jマジ!」への熱い思い、そしてその先にある壮大なヴィジョンとは…。ぜひご覧ください。

Jマジ誕生の背景

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一同 よろしくお願い致します

青木 こちらこそよろしくお願い致します。

土屋 早速ですが、「Jマジ!」はどういったキッカケでスタートしたのですか?

青木 「Jマジ!」の前に、「雪マジ!19」という企画をスタートしていて、今では「ゴルマジ!」「つりマジ!」など様々な「マジ☆部」があります。もともと「マジ☆部」は、じゃらんリサーチセンターという国内旅行市場を盛り上げるという部署始めた企画で、人口減少地帯である地方に対してきちんと人を流していきたいという思いを持ってやっています。

その「マジ☆部」全体で目指しているのが、「観光振興による地域活性」なんです。観光レジャーというのは、都市部から地方に移動する人を作れる市場ですし、地方を元気にしたいという思いが元々ありましたから。

青木 ところで、「Jマジ!」に関連して、「37%」という数字があるんですが、なんだと思いますか?

土屋 37%の若者が初めてJリーグを見に行く…ですかね。

青木 なるほど。若者の新規率っていうことですね?

土屋 はい。

青木 実はこれは私が「Jマジ!」をやる前に調査してきたときにでてきた数字で、若者に限らずJリーグを見に行っている人たちのうちの37%が、アウェイの試合を見にいくという調査結果です。だから、Jリーグを見に行く人が増えれば、極論を言っちゃえば、旅人が増えるというのが見えてきました。旅行を盛り上げる私たちが、Jリーグと組んで、旅人を増やす意味ってすごくあるねって考えたのが、「Jマジ!」のスタートにいたった経緯です。

土屋 ということは、このサービスコンセプトは「地域」ということでしょうか?

青木 そうですね。「Jリーグをキッカケとして旅にでようね。」というのが元々の目的になるんですが、もし、コンセプトというのを別の言い方で表現するとしたら、「観るだけじゃないサッカーを」っていうのが、「Jマジ!」のメッセージで、これはロゴの上にチラっと入っています。観るだけでしょって思われているJリーグを、美味しいご飯があるよとか、キャラクターも可愛いよとか、縁日みたいなこともやっているよとか、あえてサッカーメディアではない私たちが発信していくことで、観ることだけを目的としている人たちではないライトな層を獲得できるのではと思っています。

土屋 では、「Jマジ!」のイメージする主なユーザーというのは、コアなサッカーファンというよりはむしろライト層ということになるのでしょうか?

青木 基本的にはライト層を狙っているんですけれど、もちろんライト層にいらしていただくためには、コア層が絶対に必要です。例えば、元々サッカー好きっていう人たちが、「タダ!」だから、自分の彼女を試合に連れていってあげるとかっていうことを狙っているんですよ。「0円」の効果って実は、自分が自主的に行きたいって人たちに対しても、もちろんあるんですけれど、それよりも誘いづらかった人を誘いやすくなるっていうものが実は大きいんです。コアな層がライトな層を誘うっていう構図を促進したかったんですよね。

京極 「タダ!」だからいろんな友達を誘いやすいですよね。しかし、無料ってなかなか継続が難しいと思うんです。つまり、この「マジ☆部」というのは社会貢献事業なのでしょうか?それともなにか長期的なリターンを考えた事業なのでしょうか?

青木 そうですね…後者ですね。社会貢献事業に近い部分ももちろんあるんだけれど、リクルートにしても、Jリーグさんにしても、お互いやっぱりビジネスをやっているパートナー同士ですからね。Jリーグさんとしては、リクルートがプロモーションすることで、新しい顧客を連れて来てくれるという期待がありますし、リクルートとしてもスタジアムに足を運ぶ際に、じゃらんネットを使ったり、旅行に触れてもらったりしていただけるので、中長期的にリクルートのサービスの顧客開拓をできるというメリットがあります。

伊藤 実際に「Jマジ!」は、現状でどのような成果が上がっているんですか?

青木 一昨年のデータですけれど、会員登録数では、約3万2千人の登録という数字があるんですね。この会員さんのうち、4割くらいの人が実際にスタジアムに行く頻度が増えたり、しばらく行かなかったのに行くことが復活したりという効果が出ています。一方で、先ほどのご指摘のような、「無料で来る人は、無料でしか来ない」というような問題に対して、「来シーズンは無料ではないけど来たいと思うか」という観戦意向のアンケートをとっていますが、84.3%の人が、「無料でなくても行きたい。」と回答してくださっています。他にも「2年前に会員になった方が、翌年に有料でスタジアムに行ったかどうか」というデータがあるのですが、77%の方が実際にスタジアムに足を運んでくださっているという結果となっていますので、「無料で来る人は、無料でしか来ない」神話というのは、必ずしも正しくはないんじゃないかなと、私は思っています。